毎年2,400件が生まれ、900件以上が閉じている。
訪問看護ステーションの稼働数は、2014年の7,473か所から2026年の20,051か所へ、12年で2.7倍になりました。けれど、その裏側では13年間で7,170か所が廃止されています。新しく生まれた21,442か所の3か所に1か所にあたる数です。廃止は毎年、稼働数の4〜5%で続いており、2025年度は過去最多の960件でした。廃止理由の筆頭は「従業員の確保が困難」(22.7%)、次いで「管理者が退職した」(17.6%)です。
| 年度 | 新規 | 廃止 | 休止 | 稼働数(翌4月1日) |
|---|---|---|---|---|
| 2013年度 | 896 | 262 | 138 | 7,473 |
| 2014年度 | 1,189 | 333 | 191 | 8,241 |
| 2015年度 | 1,384 | 425 | 236 | 9,070 |
| 2016年度 | 1,234 | 462 | 224 | 9,735 |
| 2017年度 | 1,221 | 482 | 228 | 10,418 |
| 2018年度 | 1,383 | 534 | 259 | 11,161 |
| 2019年度 | 1,376 | 526 | 238 | 11,931 |
| 2020年度 | 1,633 | 541 | 240 | 13,003 |
| 2021年度 | 1,806 | 490 | 242 | 14,304 |
| 2022年度 | 1,968 | 568 | 225 | 15,697 |
| 2023年度 | 2,437 | 701 | 291 | 17,329 |
| 2024年度 | 2,487 | 886 | 355 | 18,754 |
| 2025年度 | 2,428 | 960 | 328 | 20,051 |
出典:全国訪問看護事業協会「訪問看護ステーション数調査」(平成26年〜令和8年の各年版、各年4月1日現在)。稼働数=指定数−休止数。廃止理由は同協会 令和7年3月報告書(n=437)を引用した社会保障審議会 介護給付費分科会 第259回 資料3。
伸びているのはリハビリ職。看護職員の割合は7割で横ばい。
ステーションで働く人は、12年で4倍に増えました。看護職員も増えています(2.8万人→10.4万人、3.8倍)。ただし、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の伸びはそれを上回り(0.6万人→3.1万人、5.2倍)、看護職員の割合は約7割で横ばい、リハビリ職が約2割という構成が定着しました。そして、全国の就業看護師のうち訪問看護ステーションで働く人は6.7%(約9.1万人・2024年末)。12年前の3.0%から高まったものの、国が2025年に必要と見込んだ約12万人には、まだ届いていません。
| 年 | 従事者 総数 | 看護職員 | リハビリ職 | 看護職員の割合 | リハビリ職の割合 | 就業看護師に占める訪問看護ST勤務 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2012年 | 35,454 | 27,557 | 5,965 | 77.7% | 16.8% | 3.0% |
| 2016年 | 57,704 | 41,628 | 12,096 | 72.1% | 21.0% | 3.7% |
| 2020年 | 96,799 | 67,139 | 21,959 | 69.4% | 22.7% | 4.9% |
| 2024年 | 146,500 | 103,823 | 30,849 | 70.9% | 21.1% | 6.7% |
出典:厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」詳細票 第7表(各年、e-Stat)。看護職員=保健師・助産師・看護師・准看護師、リハビリ職=理学療法士・作業療法士・言語聴覚士。2018年以降は標本調査にもとづく推計値のため、長期の倍率は目安。就業看護師に占める割合は「衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」各年末(実人員)。需要約12万人は看護職員需給分科会 中間とりまとめ(令和元年)。
半分以上が看護職員5人未満。だから、大きくなりにくい。
常勤換算で看護職員が5人に満たないステーションが55.2%。1事業所あたりの看護職員は平均5.8人です。少人数だと、24時間の電話と緊急訪問を数人で回すことになり、ひとり欠けると回らなくなります。採用に手が回らず、採用できないから大きくなれない。この順番が、規模の壁をつくっています。
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55.2%
看護職員5人未満のステーション
2.5〜3人未満 15.5%、3〜4人 22.6%、4〜5人 17.1%。人員基準ぎりぎりの体制が最も多い層です。
出典:令和6年 介護サービス施設・事業所調査(社会保障審議会 介護給付費分科会 第259回 資料3)
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5.6%
機能強化型の届出があるステーション
常勤7人以上・看取り20件以上などの要件を満たす機能強化型1は477か所。1〜3を合わせても963か所で、稼働数の約5.6%です。
出典:中央社会保険医療協議会 総-2 在宅(その3)(令和7年11月12日)
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約9%
1か月に看取りを算定した事業所
届出は77%にあるのに、実際に算定したのは約9%。体制があっても、少人数では看取りまで伴走しきれていません。
出典:同 第259回 資料3/全国訪問看護事業協会 令和6年度 老健事業 報告書。詳しくは在宅看取りとその市場
「一緒にやろう」から始まる開業が、続きにくい理由。
看護師の開業には、よくある2つの始まり方があります。ひとつは、気の合う友人同士で始めるケース。もうひとつは、働いているステーションのオーナー看護師と方針が合わなくなり、仲間を連れて別のステーションを立ち上げるケース。どちらも私たちは数多く見てきました。そして正直に言うと、友人同士の開業は、続きにくい形になりやすいのです。
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お金が、関係を変える
経営はお金が絡みます。出資の割合、給与の差、借入れの名義、利益の分け方。看護の現場では一度も話さずに済んだことを、毎月決めなければなりません。大切な友人関係に、いちばん負担のかかる話題です。
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経営者と従業員のあいだの、見えない線
どんなに仲が良くても、代表者とそうでない人のあいだには、責任と情報の差があります。同じ気持ちで始めたはずなのに、決める人と決められる人に分かれていく。この線は、仲の良さでは消えません。
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「前の職場」を繰り返しやすい
方針が合わずに独立した場合、新しいステーションでも同じ構図が生まれがちです。経営の型を持たないまま人数だけ増えると、今度は自分がオーナー側になって、同じ分かれ方を経験することになります。
※この節は統計ではなく、トータルケアが直営・加盟の支援のなかで見てきた傾向です。
だから、はっきりお伝えします。独立は、ひとりで。
友人と一緒に始めたいと思ったなら、もうひとつの選択があります。ふたりが、それぞれ独立することです。隣の地域で、同じ仕組みの上で、それぞれが代表者として立つ。相談し合える仲間のまま、お金と責任は分ける。大切な関係を守りながら経営者になる方法は、あります。
ひとりで始める道を、私たちは止めません。ただ、ひとりで始めるときに重くのしかかるものがあります。看護師を育てる仕組みがないこと。記録や請求のシステムをそれぞれ別のものでそろえる手間。そして、開業資金の借入れです。返済の重さに追われて、せっかく始めたステーションを閉じざるを得なくなる看護師を、私たちはもう見たくありません。
経営者としてのキャリアのなかで、遠回りを省く方法としてフランチャイズを選ぶのは、間違いではありません。せっかく経営者としてデビューするなら、看護師としてだけでなく、経営者として育ってほしい。それが私たちの願いです。
看護過程の流れは、経営のPDCAと同じ。
看護師は、毎日「情報を集め、アセスメントし、計画を立て、実施し、評価する」を繰り返しています。経営も同じです。市場と地域の情報を集め、何をするか決め、実行し、数字で振り返り、次の手を打つ。看護過程を回せる人は、経営のサイクルも回せます。足りないのは経営の知識であって、考え方の型ではありません。
| 看護過程 | 経営(PDCA) | ステーション経営では |
|---|---|---|
| 情報収集 | 市場を知る(Research) | 地域の人口・医療機関・競合・看護師の採用環境を調べる |
| アセスメント | 分析(Analyze) | どの地域で、誰に、何を強みに届けるかを見極める |
| 看護計画 | 計画(Plan) | 収支計画・採用計画・開業までのスケジュールを立てる |
| 実施 | 実行(Do) | 開業し、営業し、訪問を積み上げる |
| 評価・修正 | 評価・改善(Check・Act) | 月次の数字で振り返り、次の一手を決める |
経営は、ひとりではできない。だから、右腕がいる。
私たちの役割は、経営者になる看護師の右腕としてスケールを支えることです。法人設立から創業融資、採用、育成、請求まで。ひとりで背負うはずだったものを、仕組みで分け合います。
法人設立
定款・登記・指定申請の段取りを本部が一緒に進めます。はじめての手続きでも、順番に迷いません。
創業融資
日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、融資限度額7,200万円、設備資金は20年以内・運転資金は10年以内(据置期間5年以内)。新たに事業を始める方は原則として無担保・無保証人で利用でき、創業期は利率が原則0.65%引き下げられます。事業計画書の作成と面談の準備を本部が伴走し、融資そのものをサポートの対象にしているので、ここで立ち止まらずに進めます。借入れは「返せる計画」とセットで設計します。
人材を集める
採用は全国ブランドの仕組みで。大切なのは、自分の知らない人と働くことです。友人を誘うのではなく、経営者として人を迎える。その最初の採用を、本部が支えます。
育てる
「How to 訪問看護」の教材、同行研修、クローバー会。ひとりでは用意できない育成の仕組みを、初日から使えます。
記録と請求をひとつに
記録・請求・スケジュールを別々のシステムでそろえる負荷をなくし、自社システム「センパイナース」で一気通貫に。看護師が看護に集中できる時間を守ります。
24時間を分け合う
24時間365日の看護相談ダイヤルで、夜間の電話を経営者ひとりが抱えない体制に。看護師の定着と育成で詳しく。
経営者としてのあなたを、育てたい。
まだ迷っている段階で、かまいません。「独立すべきかどうか」からのご相談も承ります。無理にお勧めすることはありません。
出典一覧
- 全国訪問看護事業協会「訪問看護ステーション数調査」(平成26年〜令和8年の各年版)
- 厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」詳細票 第7表(常勤換算従事者数・訪問看護ステーション・職種別、2012〜2024年、e-Stat)
- 厚生労働省「衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」(平成24年〜令和6年)表2
- 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」/「創業融資のご案内」(2026年10月時点の記載)
- 社会保障審議会 介護給付費分科会 第259回 資料3(訪問看護)(令和6年 介護サービス施設・事業所調査ほか)
- 中央社会保険医療協議会 総-2 在宅(その3)(令和7年11月12日)
- 厚生労働省「看護職員需給分科会 中間とりまとめ」(令和元年)
- 全国訪問看護事業協会「令和6年度 老人保健健康増進等事業 報告書」
「看護師同士の開業」の節は統計ではなく、トータルケアの支援現場で見てきた傾向です。数値は各出典の公表版によります(2026年10月時点)。