事業者の方へ

介護事業の、次の一手として。

すでに介護事業を運営されている方から、「訪問看護は自社に合うか」というご相談を多くいただきます。結論から言えば相性は良いのですが、越えるべき壁もはっきりしています。両方を正直にお伝えします。

相性

すでにお持ちのものが、そのまま活きる

介護事業者の方が訪問看護を始める場合、ゼロからの開業とは前提が違います。

  • 地域連携の関係がある

    訪問看護の依頼はケアマネジャーと病院の退院支援部門から来ます。介護事業を運営されていれば、この関係はすでにお持ちです。新規開業者が最も苦労する部分を、最初から持っている状態から始められます。

  • 利用者の中に対象者がいる

    既存の利用者やそのご家族の中に、医療的なケアが必要になった方がいらっしゃるはずです。これまでは他事業者に依頼していた部分を、自社で担えるようになります。

  • 拠点と管理部門を共用できる

    事務所・請求業務・労務管理などの管理機能を既存の体制と共用できる場合があります(区画の分け方は自治体の確認が必要です)。

  • 報酬の構造を理解している

    介護保険の報酬体系・請求業務・実地指導への対応をすでにご存じです。異業種からの参入者がつまずく部分を、経験としてお持ちです。

それでも、越えるべき壁があります

相性が良いことと、簡単であることは違います。

  • 看護師の採用は、介護職の採用と別物

    介護職の採用ノウハウは、そのままでは通用しません。訪問看護に従事する看護師は就業看護師の6.6%という小さな母集団で、求める働き方も異なります。ここが最大の壁です。

    出典:FC資料202604(厚生労働省統計に基づく)

  • 医療の判断が必要になる

    訪問看護は主治医の指示書にもとづく医療行為を含みます。介護と比べて、判断の重さと責任の質が変わります。経営者に資格は不要ですが、現場を支える体制が必要です。

    当社では24時間365日、現場の看護師に相談できる体制をご用意しています。詳しくはサポート内容へ。

  • 24時間の連絡体制

    緊急時の対応体制を整える必要があります。少人数のうちは管理者に負担が集中しやすく、体制設計を誤ると離職につながります。

  • 介護事業とは別法人・別指定

    訪問看護ステーションとしての指定を新たに受ける必要があります。人員基準・設備基準も訪問看護の基準が適用されます。

    要件の詳細は人員基準・指定申請の要件へ。

なぜ今か

在宅へのシフトは、方針ではなく必然

  • 国の方針が「病院から在宅へ」

    高コストな病院・介護施設の拡張は財政的に限界にあり、国の方針は在宅療養へのシフトに向いています。訪問看護はその中核を担う位置にあります。

    出典:厚生労働省資料ほか。詳しくは市場データ・出典へ。

  • 看取りの受け皿が足りない

    63.5%が自宅で最期を迎えたいと希望する一方、実際の自宅看取りは15.7%にとどまります。この差が、在宅医療の需要そのものです。

    出典:厚生労働省調査(FC資料202604より)

  • 訪問看護師が約3万人不足

    2025年に必要とされる訪問看護師は約12万人に対し、現状は約9万人。約3万人が不足すると試算されています。需要が供給を上回る状態が続きます。

    出典:厚生労働省 看護職員需給分科会 第11回(令和元年9月30日 資料3)

自社の場合を、具体的に。

既存事業の内容とエリアが分かれば、相性と課題をより具体的にお話しできます。