こどもが減る国で、保育事業者が訪問看護を始める意味。
出生数は9年連続で減り、保育の現場では「待機児童」から「定員割れ」へ局面が変わりました。それでも保育事業者には、地域の家庭に信頼され、専門職を雇い、子どもと家族を支えてきた力があります。その力を、こどもから高齢者まで全年齢の地域ケアへ広げませんか。親和性の高い事業として、訪問看護を今から始める意味を整理しました。

出生数は、50年で3分の1に
2024年の出生数は68万6,061人。過去最少を9年連続で更新し、合計特殊出生率は1.15まで下がりました。保育の需要は、この数字の数年後を追いかけます。
出典:厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計月報年計(概数)の概況」(2024年は概数)、人口動態統計 確定数(1973・2000・2016・2023年)。
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271万人 / 304万人
保育所等は、定員に対して利用児童が減少
2024年4月時点で保育所等の利用定員304万人に対し、利用する児童は271万人(前年比1.2万人減)。定員も利用児童も減り始めています。
出典:こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和6年4月1日)」
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2,567人
待機児童は、ほぼ解消
待機児童は全国で2,567人(前年比113人減)。待機児童のいる市区町村は217。「入れない」時代から「選ばれなければ埋まらない」時代に変わりました。
出典:同上
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約800万人
14歳以下の人口は、2070年に半減
0〜14歳人口は2020年の1,503万人から、2070年には約800万人へ。こども市場は、一時的ではなく構造的に縮みます。
出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」出生中位・死亡中位推計
保育と訪問看護は、同じ力で成り立っている
どちらも「地域の家庭を、専門職が支える」対人の事業です。保育事業者がすでに持っているものの多くが、訪問看護でそのまま生きます。
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地域の家庭からの信頼
保護者との日々の関係、地域の行事、自治体とのやり取り。訪問看護の依頼は病院やケアマネジャー、そして地域の口コミから来ます。すでにある信頼が、そのまま営業基盤になります。
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専門職を雇い、育て、シフトで回す経験
保育士という国家資格の専門職を採用し、育成し、早番・遅番で運営してきた経験は、看護師の組織づくりと同じ構造です。専門職チームの運営は、訪問看護でいちばん難しい部分です。
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公的制度のなかで運営する力
認可・監査・補助金・自治体との協議。制度に沿って事業を回す力は、医療保険・介護保険で運営する訪問看護でそのまま必要になります。
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「地域貢献」という事業の軸
保育は、もともと地域のために始めた事業のはずです。その軸を変えずに、支える対象を広げる。それが、保育事業者にとっての訪問看護です。
まず小児と医療的ケア児の受け皿に。そして、全年齢へ。
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第一歩
小児訪問看護・医療的ケア児の受け皿

人工呼吸器や経管栄養など医療的ケアを日常的に必要とする子どもは全国に約2万人。保育所での受け入れには看護師の配置が要り、家庭では訪問看護が支えます。トータルケアは直営で月40名以上の小児訪問を行っており、この領域のノウハウを持っています。保育事業者にとって、いちばん自然な入口です。
医療的ケア児数は厚生労働省の推計(2021年時点 約2万人)。小児訪問の実績は本部資料(2026年8月)。
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本当の狙い
支援の幅を、全年齢へ
ただし、小児に限定すると市場は小さいままです。これからの人口構造では、2.6人に1人が65歳以上になります。もともと地域貢献のために始めた事業なら、支える対象を「こども」から「その地域で暮らすすべての人」へ広げる時期です。子どもの訪問で培った信頼と看護の力は、高齢者の在宅療養や看取りにもそのまま生きます。保育事業者の生き残りをかけた次の柱として、今から訪問看護を。
※訪問看護ステーションの開設には看護職員の配置(常勤換算2.5人以上)と都道府県等の指定が必要です。詳しくは人員基準・指定申請の要件、進め方は開業ガイドへ。